姫路競馬場公園
(しんじょうのしおりもどし)
場所・姫路市夢前町新庄

怖い話の代表格といえば、都市伝説
ところで何で都市限定なんでしょ?

答えは簡単。

街灯一つない田んぼの真ん中で、口裂け女が襲ってきたら・・・・(誰も助けてくれない)とか、
ターボ婆ちゃんがブレーキを放しただけで60km出る坂で追いついてきたら・・・(車は急には止まれません)とか、

冗談抜きで田舎は恐ろし過ぎるからです。

人気がないってだけで、恐怖指数急上昇
天狗や鬼、河童にいたるまで得体の知れないヤツの出現情報は1000年前から語り継がれてたりと、
いまさら人面犬とか、殺人鬼とか出没させる必要ナッシング。

放っておいても、熊は出るわ、崖は崩れるわ、大雪は降るわで現実的な危険も一杯で、
ふぬけた恐怖話なんて、屁のツッパリにもならんとですよ。

ずばり、田舎生活=スリル満点
田舎生活=スローライフなんてのは、不動産業者に良い様に騙されているだけ。

そんな田舎で、しかも山賊追いはぎまで闊歩していた時代に、
行商をしていた屈強の商人が恐れをなして引き返したという、スポットが夢前町にあるのです。

それが今回の目的地、塩売り戻し(しおりもどし)

しかもそれが今も現存してるって言うんですから、行くしかありません。
どんな恐怖が待ち構えているんでしょう?

ただ、一つ大きな問題があるとすれば、場所がわかんなかったりするんですよね。
手元の資料をなくしちゃって。
まあ、先行き不安恐怖の一種ってもんで、存分に堪能しちゃいましょう。
幸い、コースは山であそぼっさんで紹介されているので、それを参考に田舎の恐怖を皆様にお届けします。

夢前川を登って、中国自動車道をくぐり約15分。

地図にさえ載っていない山の中の道をひたすら行くと、
村田農場に到着です。

・・・スゴイ臭いだ・・・

正月三が日でもう操業してるんですね。
そりゃ生き物に正月もクソもないわけですが。

地図に載っていない割りに、この村田農場。
姫路で一、二を争うに違いない巨大さ。

七つの海のティコが無造作に描かれた壁面といい、
(いつの時代だよっ)
こっちを取材したい気分になる素敵スポットですよ。
きっと追い返されるだけだけど。
村田農場を端まで行くと、
登山道のお出迎え。

牛さんたちの芳しい薫りがあたりに充満してます。

地面はここ数日の天気の良さなんて何のその。
グッチャグッチャですよ。

泥なのか、それとも牛さんたちが一杯噛みしめて
練り上げた一品なのか、
深くは考えたくないように踏みつけて行きます。

まだまだ登山って雰囲気ではないノンビリムード。

こんな平和なトコに恐怖が待っているのか?
むしろ逆っぽいこの景色。

心が洗われるような透明度。
とても人口の溜め池とは思えない、
澄みきった水面。
真冬でなけりゃ飛び込んでしまいそう。
空気まで美味しい。

「ああ、ホントに来てよかたぁ」

「来るんじゃなかった・・・・」

それは突然、やってきました。

そもそもの間違いは、
溜め池で気持ちよく空を見上げていたからですよ。

つい、山の上に岩肌を目ざとく見つけて、
「あれが、塩売り戻しやっ」
って張り切ったからですよ。

山の斜面を勢いよく直線で登り始めたら、
さっきまでの穏やかな雰囲気は何処へやら、
ヤブ、倒木、急傾斜の山の五難要素が
三拍子でお出迎え。

ちなみに残り二つは動物ハンターかな。
その内、片方とは洩れなく遭遇できそうですが。

自分の身長より高いヤブの中を、
掻き分けているとそこかしらに、獣の匂いが。

山ん中でいろんな動物の痕跡や、
そのものに会ってきましたけど、こんだけ生々しいのは初めて。

ちょっと緊張感が漂います・・・・

これが恐怖か?

登り始めて1時間半。
身も心も疲れ果てながら、何とか頂上へ!

・・・・・・・・・

って頂上、何にもないんですが・・・
何処なんだ!?塩売り戻し!!?

とりあえず今解っていることを整理してみます。

1、川沿いの山道側にあること。
2、岩場が道から見上げて恐怖するぐらいに立派。
3、新庄付近にある。


逆に言えば、これだけの情報で登ってきたんですね。

この辺、山は岩場ばっかりなのに。

山の中を彷徨うこと、30分。
過ぎ去った道から少し降ったとこに・・・
新庄の村を見渡せる岩場を発見。
眺めは中々。

これが塩売り戻し?

3つの条件は満たしてるんですが・・・・
登山道が険しすぎるんですよ。

山であそぼっさんの記事にあったみたいに、
すんなり登れる素人向けの斜面じゃありません。

スキー場の上級者コースを軽々越える急斜面。
岩どころか、自分が転げ落ちそうですよ。

違う意味で怖い。


それに方角的にはコチラが新庄側。
もしかしたら、この斜面、
昔は岩場が剥き出しだったのでは?
斜面を滑り落ちるように降りると、
県道67号に戻ってきました。

この県道67号は昔の街道でもあります。

道沿いってことはやっぱり今のが塩売り戻し。

ちょっと釈然としませんが、
夢前川でしょっちゅう死人が出てた
江戸時代と山容が変わっていても、
まあ不思議じゃないですしね。

久々の難コースに満足して、
帰り道を行くことにします。

ってあれ何だ〜!?
←こ、これが塩売り戻しじゃねえの!?

明らかに道に向かって、ものスゴイ威圧感。
切り立った岩肌。
新庄のほぼ正面。

・・・今までの苦労は一体・・・・

気を取り直して、再度登ってみます。
と言っても真下から登るのはほぼ不可能。
未だに死人が出るという洞ヶ岳のごとき、
急傾斜なので、迂回路を探すことに。

この辺りが良さそうか?
道ってか小川みたいですね。

まあ、一滴も水が流れてないので、OKです。
夏は使えないかも知れませんな。

とにかく足がかりを見つけれれば・・・
と、山に入って数分で岩場に到達。

人の手が入りまくってます。

さっきまでとえらい違いや。

←そら、こんなモンまでお目見えするわけで。
ますますはこれません。

それにしても、無造作な置き方。
他では見れないアバウトさですよ。

まあ、穴居人の自宅なんて、
家の中に蜂の巣が作られていた事に、
ついこないだ気付きましたからね。

案外、鈍感な連中なのかも。

山塊をちょっと登ると景色が開けてきました。

おおっと、コレ、いいんじゃねぇ?
岩場の頂上まで、あと少し。
登り始めて10分しか経ってないんですが。

今まで3時間も山ん中に居たのに・・・

このページの前半をごそっと無視すれば、
ここまでの道のりは小学生でも余裕。

さあて、頂上の景色が愉しみになってきました。
最高です!

新庄の田園風景が一望。
姫路の山で、こんなに気軽に登れて、
こんなに眺めのいいスポットはないでしょう。

恐怖?

そんなモン、吹っ飛んじまう位に清清しい。

でも下を見ないように。

さすがに落ちたら生還率0の絶壁になってます。

これを見たら、今みたいにしっかりした道のない時代なら、
エグイぐらいの恐怖心を覚えてもおかしくないかも。

車が適度に見えるが結構、恐怖を煽るんですよ。
締めは180度のパノラマでした。

山登り初心者の方を、山登りにのめり込ませるには
絶好の山塊です。

これが味わえるならちょっとの苦労なんて、
楽勝ってなもんですよ。

入り口付近には駐車できないのが難点ですが。
・・・・まあ、どこなりと止めれますよ。

見渡す限り(自主規制)

穴場スコア
「イーグル」クラス

よろしければ一度はハマッてみて下さい。

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撮影:2009.1 by 穴居人