香寺・豊富
(きたやま)
場所・揖保郡太子町山田


陽気がいいし、なんだかアウトドア(サバイバル)がしたいな、と思ったら、
是非、お試しあれ!

ってなカンジで今回はちょっとした山歩きの楽しみ方の紹介です。
かなり局地的ですけどね。

@まずは地図を拡げてみよう!

地図って言ってもキャンプ場ガイドるるぶなんかじゃないですよ。
道路地図をです。
ここ、特に重要。

A自分の交通能力(バイクや自転車など)の範囲内で行けそうなページをチョイス!

けっして無理に遠くを選ばないのがコツ。
あまり無茶な距離だと後が大変になります(実体験)

B選んだページの中で自分が”知らない名前”の山を選ぶ。

まかり間違って書写山なんか選んだら、
ロープウェーあったりして、つい甘えちゃいますからね。

「ホントに道があるんかいな・・・?」と、
ゾクゾクしながら現地に赴くのがアウトドア(サバイバル)の基本ですしね(違う)

C充分な飲み物と懐中電灯を持ってさあ、出発!

灯りと水分がないと、冗談抜きで命にかかわるんで注意して下さい。

てなわけで、今回の穴場は身近で出来る、

トンデモアウトドア(サバイバル)の実践編。

道路地図にもマピオンにも表記されてる割に、レビューされることが一切ない北山です。


自転車をかっ飛ばして、やって来ました北山。

周囲をしばらく散策して登山道を探索。
どの山にも一つや二つはあるもんなので、
根気よく、あきらめずに・・・ってまるっきり見当たらん。

仕方ないんで城山トンネル横の藪の中から侵入を試みます。
まあ、アウトドア(サバイバル)には、
当たり前のシュチュエーションですけどね。
整備は行き届いていないとはいえ、
人に植林された杉林なんで、まだまだ難易度は低め

藪山に突っ込んだ経験のある人なら楽勝。
きっと生温いぐらいです。
なんの気なしに適当に登って、
城山トンネル直上までやってくると、
ふいに謎の石垣が眼前に。

なんなんでしょう?

別段、由来があるわけでもない山なんで、興味をそそります。
まあどっかの山では、
興味本位で茂みに入って、
山羊の白骨死体の山に出会したりしましたけど。

城山トンネルとなにか関係が?

とりあえず先を急ぎます。
また妙な物を発見。

山道なんかじゃよくヘンデルとグレーテルのごとく、
帰り道の目印に黄色のド派手なテープが、
張ってあるのをよく見かけますよね。

環境破壊につながると批判もありますけど、
「これ道なの?」みたいなトコが多い
姫路の山々では意外と重宝するんですよ。

人気のないこの山にもありました。
←こんなに立派なのが。

石積みのケルンみたいなのが、点々と続いている様子。
ほとんど人なんて来ないのに・・・
作った人間の無駄足っぷりが涙を誘います。
石積みのケルンを辿って登ると、
ふいにまたまた立派な山道に到着。

まあ、きっと一本ぐらいはあると思ってましたよ。
しかし予想外に広くて綺麗な林道です。

こんな山にこれだけ綺麗な道がある理由っていったら・・・

ガガガ!ゴゴゴ!

しばらく行くとやっぱりというか採石場(採砂場)がお出迎え。
とても気軽に入っていけない雰囲気なので、
そそくさと引き返します。
もしかしてもう帰り道

かなり下ってます。

5分も歩けば、下界にたどり着きそうな道のりですよ。
頂上に行かずに帰れるわけありません。
でも、この道がどこに通じているか・・・気になるのも確か。
とりあえず行きます。

5分後。

行き止まりました。

あの重機はどっから来たんだよ!?
反対側(太子方面)がもしかしたら本命の山道なのかも。

とりあえずこれで気兼ねなく頂上を目指せます
ちょうど大きな四角い石頭上に。

てなわけで、山肌を石に向かって一直線に登ります。
こういうのは勢いが肝心です。

しかし、滅茶苦茶登りやすいッス。

目標の四角い石を越えたあたりで気付きましたけど、
何が登りやすいって適度に石が転がってて、
草が茂ってないからなんですよね。

不思議と山肌と石塊が、頂上に導くかのごとく延々と続いてます。

まるで元々道であったみたいに。
この山、もしかして山城の跡なんじゃ・・・

ふと思い立ったんですが、
そう考えると、合点がいくんです。

今自分が登っているのは堀切跡で、
城山トンネル直上の石垣も、ケルン(石垣の名残)
きっと城の遺物なんじゃないのか!?

地図を慌てて開きます。
一番恐ろしいのは登っている山を間違ってないかです。

実はこの隣に「楯岩城」という名で知られる城山があるんですよ。
そこにいつのまにか登ってないか?

と自分を疑ってみたわけです。
しかし何度地図を見つめても、ここはやっぱり北山です。

中世城郭の資料にも全然載ってなかったんですが・・

何せ、
B選んだページの中で自分が”知らない名前”の山を選ぶ。
ですから。

しかし山頂付近に決定的なものを見つけました!

井戸跡です。

段々とドキドキワクワクに変わってきましたよ!
頂上にはそれなりに道がありました。どっから続いてんだろ?

「千峰漫歩」さんの「北山138m」がたってました。
こんな山に登る人が他にもいるなんて(感動)

しばらく進むと、なにがしの電波塔が半分倒壊しながらも、立ってます。
このための道かな。

巨大な石垣跡なんかを期待してたんですが。

とりあえず道らしきものは置いておいて、再び道なき道に突入。

何せ道沿いにそんな遺構があったらこの山はもっと有名なハズですからね。
というわけで、明らかに道じゃない切り開きに辿りつきました。

ホントに普段から人がこないんだな・・・

目の前でのんきに鹿が草を食んでます。
足音をガサガサさせてると、突然気付いて、そそくさと逃げ去りました。
ハンターだったら必中必殺の距離ですけどね。
是非とももうちょっと緊張感を持ってほしいす。

しかし相変わらずどこにでもケルンがあるな。
とあっという間に山を下っちゃいました。

残念というか、鉄格子で覆われてて、
辿っていくと、もと来たトコに逆戻りしちゃいました。

要はそこ以外からは山に入れなかったってコトやね。

それにしても遺構はなかなか見当たらず。
頂上部近くにしか残っていないのかも・・・。

とりあえず、山の逆側に行ってみます。
北山メモリアルパークを回って太子町側、
丁度「楯岩城」の城山の登山口付近。

播磨十水、桜井の清水とやらの前に北山の登山道らしきものが。
登りませんケドね。


しかし由緒あるトコなんだと確信はえれましたよ。

とりあえず、まだちょっと燻りつつ、隣の「楯岩城」の城山に登って、
頂上につくとある城の形をしたあからさまな変電機に唖然とするまでは。

家に帰ってから城跡探索さんにさっそく問い合わせてみました。

「もしかすると城山は”太田城”であり、その支城であった”楯岩城”こそ北山かも知れない」

とのありがたい回答が。
もしそうなら、太子町の観光案内ガイドが書き換わりますよ。
北山が有名になる日が来るのか?
ちょいと見守っていきたいと思います。

え?サバイバルはって?
いや、アウトドアってのは予想外の面白さですよ。きっと。



穴場スコア
「ダブルボギー」クラス。でもまだ見ぬロマンがきっと一杯です。

よろしければ一度はハマッてみて下さい。

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撮影:2006.4 by 穴居人