延末潜道

(のぶすえせんどう)
場所・姫路市延末

すっかり架空の都市として有名になったゴッサムシティ
アメコミ好きなら、イヤでも覚える超有名スポットですが、
ニューヨークの別名でもあるんだとか。

コウモリとかとか、ピエロとか案山子とかの格好で徘徊するコスプレ連中から、
顔が半分焼けただれた二重人格者やら、
腹話術に没頭してたら二重人格になってしまったヤツやら、
とびきりの異常者が徘徊するような街と同じ名前とは。


人種のるつぼっと言われるトコは世界中何処でもそうであるように、
ニューヨークでも治安は一昔前まで最悪

何とか汚名を挽回したいニューヨーク市長。
そこで学者さんの入れ知恵を頂戴して、ある作戦に打って出ました。

ラクガキを消そう大作戦!

ニューヨーク名物にもなっていた地下鉄の壁のラクガキを、
職員総出で消していったそうです。

すると、何故だか知りませんが、
犯罪率が下がったんだとか。
行動心理学にゃ詳しくありませんが、ラクガキ一つ消すだけで治安が良くなるならめっけモンですよ。

見習いましょう。みゆき通り。

そこで、提案。もういっそのことこの延末地下道みたいに、
ラクガキだらけ・・・もとい壁絵を壁一面に描いて、
悪ガキ共のイタズラするスペース
を奪ってみてはいかがでしょう?

さて、場所は手柄山と駅南を繋ぐこの周辺では、
唯一の地下道。

というか、姫路市内では、
車が通れる地下道はトンネル並に少ないので、
けっこう貴重かも。

まあ、それだけ田舎ってことですけどね。
踏切を気にしなくていいぐらい、交通量が少ないw

万年大渋滞の加古川に胸を張って威張れるのは、
この交通事情ぐらいですよ。

これで、姫路駅の工事が完了して、
南北がもっと行き来しやすくなればいいんですが。

三宮駅みたいなモンを目指しているらしいので、
期待薄かな・・・・
さて入り口。

早くも退廃的な雰囲気が漂っておりますが・・・

山陽電車飾磨線が開業した頃からあるので、
年期が入っているのは、ご愛敬。

しかも遊歩道の上には、何故か黄色信号が。
確かに自転車で立ちこぎしてたら、
この高さは危ないかも。

現に穴居人は姫路駅地下道で、頭を豪快にぶつけ、
震えながら、映画館に行った覚えがあります。

たいして面白くもないのに、が溢れてきてビックリ。

障害が残らないか冷や冷やしましたよ。
中に入ると、雰囲気が一変します。

・・・何だ!!?このメルヘンワールドは!

壁という壁に描かれた、
ラクガキ・・・もとい頬笑ましい壁絵の数々。

照明がもうちょと明るければ言うことなしなんですが、
贅沢は言えません。

何が描いてあるんだろ?
一周回ってみましたが、要領を得ません。

とにかく脳内ワールドを全開にして
気の向くまま描いたみたいな世界観。

姫路城「らしき」お城や、
手柄山「らしき」遊園地がちらほらあるので、
この極彩色の絵はもしかして、姫路なのか!?

と、一つ、思いつきました。
これだけけばけばしいトコなら、
反転すれば、さぞかし・・・

←と、思ってコチラ。

いや、たいしたコトなかったですね。

穴居人の反転写真集は、
穴場の姫路の一応、メインコンテンツの一つ、
ピンホールショット内の、
DeepPointExperimentで公開中。

暇つぶしに覗いてやってくだされ。
というわけで描いたトコに直接、電話してみました。

どうして、分かるのか?
実は反対側の遊歩道に描いた張本人が、
どうして描いたのか?
と一緒に壁に名前を残しているからです。

しかし、あまりに不審で不躾な電話に、
ちゃんと応対してくれるとは。さすが公僕。

ですが・・・

「何せ11年前のことですので・・・
知っている人間がもういません」


とのこと。
残念。
下書きがあったとは思えない
自由で奔放な絵
の数々!

手柄山遊園地もこのデフォルト!

見ていて飽きないのは不思議。
ただこれが、中学生の描いたものとは・・・
思いもよらなかったですよ。
どちらかというと、反対側の←コチラの方が、
中学生っぽいセンスを感じますよ。

姫路市の市蝶のジャコウアゲハと、
市鳥の白鷺をあしらった
理知的でシンプルなデザイン。

・・・だけど、犯罪者が現れるとしたらこっちですね。
この雰囲気じゃ、
変態行為に拍車をかけてるとしか思えない。

無機質な壁絵がより、
一層退廃感を増してる恐怖スポットです。

よくこれで、心霊スポットにならなかったな・・・

←というわけで、こうするともっと怖いですよ!

ううん、これは絵になる。

DeepPointExperiment
あげねばなりませんね。

というわけで、お子様だけで通るときは、
南側がオススメ。

こっち側は何が起こっても不思議じゃありません。
その出口には、ここの正体がのってます。

「フレンドフル事業、山陽中学校美術部
平成9年11月制作」


山陽中学校は、芸術活動に積極的なのか、
ホームページには公式キャラクタまで!



「SUNちゃん」って名前らしいです。
気合の入った校章と、
テキトーな手足が何ともユニーク。

意外とこれからも面白い活動をしてくれるかも。

フレンドフル事業は姫路市教育委員会が、
推進していた地域密着型の学校行事。

今やってる地域夢プランの前身ですね。
震災時の自衛隊の如く数百人の人員を、
報酬なしで動員できる素敵な試みです。

この調子で姫路駅地下道も、
落書き・・・もとい壁絵でうめ尽くしてくれないかと、
ちょいと期待してしまいますね。

穴場スコア
「ダブルボギー」クラス

よろしければ一度ハマッてみて下さい。

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撮影:2008.3by 穴居人