浜手緑地・飾磨
(はまてりょくち・しかま)
場所・姫路市飾磨区中島


夢前川にホタルが帰ってきた!

と一時期、話題になったことがありました。

虫や鳥が舞い戻ってくる事は、
宇宙空間を遊泳し、放射線にも耐えるような親戚もいる虫類や、
頭にボウガンが刺さってても、「ちょっと過ごしにくいな」程度ですんでいる鳥類でさえ、
耐えられないような史上最悪の汚染環境
が、徐々に回復している嬉しい知らせと言えます。

それに人間は目に見えて効果のあることに、一喜一憂する悪い習性を持っています。

そこで!

ここぞとばかりに悪知恵の働く人々は考えました。

「じゃあ、虫や鳥が帰ってくりゃ、そんだけで汚染が和らいだ気がするんじゃないか?」

そこで思いついた画期的な方法はすなわち、逆転の発想、

「虫や鳥の住みよい環境を人工的に作る」

要は他の生き物の生態系は無視して、特定の生物を優遇することで彼らの帰順を早めよう
という
なんとも狡猾で解りやすいやり方でした。


例えて言うなら、

「このマイホームは産廃業者と葬儀場と空港に隣接していますが、
近隣の住宅地と較べて、同じ値段で、
土地も3倍。家の大きさも2倍。駅からも近く通勤も楽で、煩わしいご近所さんもいません。
何より毎年、国から補助金まで交付されるんです。
言うことなしでしょ?」


っというカンジで誘致するワケですね。

さあて金にモノを言わせたこの作戦に非の打ち所などあるはずがありません。
現にまだ日本中で懲りずに使われているのが何よりの証明です。

企業が自分の会社の設備に金をかけるより先に、
河川改修や公園設置に積極的に参加しようとする
時は要注意。

でもたった一つだけ落とし穴があったりもします。

それは、

「やっぱり何にも戻ってこなかった」

という根本的にお寒い結果になると、「やっぱりここの汚染はもの酷いんだ・・・」と逆効果になってしまうってことです。

何を言ってもやっぱり愛と自然だけはお金で買えないんですね。

てなわけで、野鳥の姿をほとんど見かけない「浜手緑地・飾磨」です。

見て下さい!

この閑散とした風景!
浜手緑地野鳥観察場のほぼ全景です。

思わず哀愁まで漂いかねない悲惨な光景です。
鴨一匹、すら見あたらない。

いや、綺麗なんですよ。ホント。
新しくってお金がかかってますからね。

池の東西にはやはり綺麗な
バードウォッチング場
が設置されています。

覗き窓に一つも椅子をそえつけた
形跡がないところを見ると、
常連さんはいないようです。

窓から見えるものは工場の煙突と巨大な鉄塔、
それにただただ広がる人工池だけです。

野鳥は?

天敵はいました。

明らかに住み慣れたカンジで覗き窓で昼寝をしてました。
浜手緑地・広畑では
あまり野良猫の姿を見かけませんでしたけど、
此処ではハトの次ぎによく見かけます。

野鳥は?

恰好の餌になっていないか心配です。
さあて、この浜手緑地第6期公園にあわせて、
元々、阿保橋の南にあった
市川野鳥観察所を2004年春に閉鎖して、
新たにこの浜手緑地に
2005年11月からは再オープンしたそうです。

つまりはこんなバカでかい池を作ることになった元凶ですね。

この建物は池を見渡せる展望地に建つ鳥見台です。
入り口にはしっかりと鍵がかかっています。

厳重に4つも。

建物内部です。

なるほど。

確かに鍵を4つもをかけたくなるくらいに立派です。

なにせヒドリガモ、オカヨシガモ、ホシハジロ、ウミアイサ
などが多いときで約10種500羽近くのカモ類
観察できる触れ込みですからね。

ちなみに毎週日曜に地元愛好家らの、
観察指導もあるとのことです。

お問い合わせは
姫路市公園緑化課(電話:0792−21−2412)
まで。

今もまだやっているかは不明ですが。
鳥見台の反対側、
池を挟んだ逆側には湿地帯を模した(?)遊歩道もあります。
ここはかなり風情があって、素直にオススメです。

そういえばこの池、当然ながら人工池で
平成6年以降に誕生したにも関わらず、
修景池なんていう身も蓋もない名前が付けられています。

修める(意味;乱れたり損なわれたりしたところをつくろう)
景色ってのは、いかにも露骨過ぎるんじゃぁ・・・
と心配になりますね。
豆知識・浜手緑地公園は
姫路で一番標高が低い
場所です。

・・・トリビアにもなりませんでしたね。

浜手緑地は全般的にスポーツ施設が充実しています。
バードウォッチングよりも、
此方を売りにした方が活気がでる
と思うんですが・・・

平凡過ぎるんでしょうか?
ともかく公園の荒れようと比較すれば、よく整備されてます。

最後は浜手緑地で一番、
明るい(比較的)スポットの紹介です。

飾磨の浜手緑地の端に位置する児童公園は、
なかなか気合いの入った遊具ばかりでなかなか遊べます。

備え付けの木製テーブルが焼けこげてたりしますけど、
昼間は親子連れで賑わっています。

行くなら明るい内にどうぞ(浜手緑地鉄則)。
何せ海底をさらったら、車がワサワサ出てきた
飾磨港のすぐ外側ですからね。
公園のトイレ横には、
ジョジョの奇妙な冒険第2部に出てきそうな
不気味そのものの、乗り物がお見送りしてくれてます。

相棒の、原色が目に眩しいイルカとカエル
いい味だしてます。

ところで2005年には、犯罪の匂いがする浜手緑地に
なんとスーパー銭湯あかねの湯が出来ました。
・・・これで少しは明るくなるんでしょうか?

・・・でも人通りが激しくなると野鳥が一層いなくなる気もするのですが・・・・


穴場スコア
「ダブルボギー」クラス。

よろしければ一度はハマッて見て下さい。

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撮影:2005.5 by 穴居人