浜手緑地・広畑
(はまてりょくち・ひろはた)
場所・姫路市広畑区夢前町

全長数10km。

姫路近辺でも類を見ない長大な敷地を持つ浜手緑地公園。
その規模は姫路の海岸線の半分に相当します。
それなのに「るるぶ」でも「姫路市観光協会」でもたった一度として取り上げられた事はありません。

何故かって?

行けばわかります。

地元の人でさえ近寄りがたい独特の雰囲気があなたを迎えてくれる事でしょう。

「暗い」「汚い」「危ない」

アンチ観光地三大要素が全て目白押しで揃っているある意味で希有な場所です。(人通りがあるにしては)
殺人事件、誘拐事件、暴行事件などのどんな重犯罪が起きても、

「ああ、浜手ならありえるかも」

で済まされるような気がします。
しかしそんな悪環境が改善されないのには漠然と理由があるのです。

なにせ普通、公園と言えば地域住民の憩いの場所として設置されるのが普通なのですが、此処はひと味違います。
浜手緑地は海岸線に林立する工場と住宅地とを分け隔てるべく作られたのです。

つまり逆に人を寄せ付けないために設置されたと言っても過言ではないわけです。

現に中播都市計画第1号緑地浜手緑地には、公園内にはこんな事が書いてあります。

「この事業は臨海工業地帯と背後の一般住居地域を緑地で遮断して、公害、災害の波及を緩衝し併せて
地域に緑を、市民に健康と安らぎの場を提供するため発起され、国、市及び関連企業が費用を分担するものとする。」


確かに工場地帯から時々噴き上がる七色の煙なんかを目撃していると、
浜手緑地が市民の生活をどれだけ潤してくれているか身に染みて解ります。

要約すれば国、市及び関連企業の罪滅ぼし兼「これからも公害出すけどよろしくね」ってことですからね。



さすが、浜手緑地!

入り口からして不穏な空気が漂っています。

しかし「関係車以外乗入禁止」というのは、
他で見たことのない貴重な看板です。

そもそも関係車であろうと車輌の乗り入れを、
許している公園ってのが珍しいわけですが。

それにしても看板の後ろに見える道は
どうみても車輌用には思えません。
公園名物木陰のベンチ群

昼休みの時間には
近くの新日鉄やイトーヨーカドーから
従業員が休憩に来る・・・
とは思えない寂れっぷり。

リストラされたサラリーマンの暇潰し場所
使われそうな雰囲気です。

後ろめたさがたっぷり表現されてます。

フォークリフト実技会場!

こんなものが見れるのは姫路市内の数ある公園でも、
ここだけなのでほんの少しお得感があります。

しかし何故かフェンスには
七曲がりのガードレール
みたいな追突跡が・・・・・

フォークリフトって事故を起こすほどスピードでましたっけ?
耕耘機と同じなら時速20km前後?

運転手には是非、公道には出ないで欲しいです。

さて浜手緑地では、
工業地帯と住宅地のど真ん中でありながら
踏み跡(人の入った形跡)の極端に少ない
藪道とも出会えます。

昭和40年代から植えっぱなしの雑木林は、
人工の施設とは思えない位の、鬱蒼とした茂りっぷり。

自然の偉大な回復力をまざまざと感じさせてくれます。

公園を整備して人間様が
快適にすごせるようにするよりも、
地域に緑を!が浜手緑地の目的なので
結果オーライなのかも知れません。
新日鐵との境界線ギリギリにある
野球場に続く長いコンクリートの一本道。

浜手緑地をWeb上で唯一紹介していた
姫路フィルムコミッション
さんの、イチオシスポットです。

「まるで富豪の屋敷内か別荘地を思わせる木々に囲まれた青い芝の一画」
と大絶賛されたイチオシスポットです。

冗談抜きで映画に使って欲しい。

中島グリーンベルトの異名をもつ
浜手緑地・広畑の一大ロケ地(?)
緑のトンネルを抜けたところにあるのは立派な野球場。

妙に背の高い観覧席が図々しく敷地内に居座ってます。

五歳以下の子供なら真っ逆さまに
ずり落ちてしまいそうな高さと隙間です。

大人専用?

事故にならない内に柵ぐらいはつけて欲しいもんです。

大阪城公園で見て感心しましたけど、
確かに中央に支柱のある休憩所って
テントがすごくはりやすい
ですよね。

元々丈夫なテントには支柱が肝心ですし、
青ビニールを張り巡らすにも好都合です。

何せある程度大きな青ビニールさえ手に入れたら、
上をくくるだけで雨風をしのげるスペースを作れるんですから。

浜手緑地はテントを張るスペースに事欠かないのと、
市街地が極端に近いせいで、人口密度は高いです。
姫路市内の公園では一番と言っても過言ではないハズ。

そこで!

浜手緑地に手紙を出してみよう!

このホームレスな場所には、
実はちゃんとした住所があるのです。

〒671-1124
姫路市広畑区鶴町1丁目(番地はない)
0792-39-4780


電話番号まで!
おそらくこの事務所のものだと思いますけど・・・・

往復はがきペン根気があって
住人達に地道に配れば、
感動を呼ぶ映画になりそうな予感もします。
日本共産党さんが市長に出した
2005年度予算編成に対する要望書にこんな記述が。

「浜手緑地公園の整備をはかり、木の枝払いや清掃は、
実態に応じて回数を増やすこと。ベンチや備品の修理と増配備をおこなうこと。」


えらく具体的で、
めっちゃ実態に応じてってのが親身な意見です。
政治宗教プライバシーには
関わりたくない穴居人ですが、
この要望だけは是が非でも叶えて欲しかった。

ゴミや施設の修繕さえもっと充実していたら、
穴場的価値は大幅UP間違いなし

惜しいです・・。
終点にある謎のモニュメント。

広畑の浜手緑地で最も明るい広場になっていて、
テントをはってアウトドア気分
浸っている親子連れもいます。

フリスビーで戯れる、
絵に描いたような家族サービス
が似合う場所です。
最後の最後でやっと
市民に健康と安らぎの場らしい光景に出会えました。

今の今までテントは数々見れど、
みんな本格的に住んで(自主規制)

穴場スコア
「ダブルボギー」クラス。

よろしければ一度はハマッて見て下さい。

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撮影:2005.5 by 穴居人