(にしむらよなきじぞう)
場所・姫路市夢前町新庄
穴居人は福沢諭吉が大好きです。
いや、勘違いしないでください。
そりゃ、野口のオッサンより、一葉の姉ちゃんより大好きですけど誓ってそういう邪心からではないです。
まあもういらねぇ!と思えるぐらい懐には居座って欲しいですけどね、諭吉。
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」
とか風潮して清廉潔白のイメージが一人歩きしている感のある諭吉君ですが、
それは大間違いです。
娘の結婚相手に身分が低すぎるとイチャモンつけたぐらいはご愛嬌、
大学の資金繰りに困って仇敵にまで金の無心をする節操のなさなんて当たり前、
諭吉君の言いたいことを要約すると、
「ああ?お前らのことなんてどうでもええねん!俺の話を聞け!」ってなカンジで、
その滾る熱意がたまたま世情にマッチしたからよかったものの、
逆に向いてたら、時代が時代だけに胴体と首が繋がってなかったかも知れないよーな危ないお方だったんです。
一部偏見ですが。
そんな諭吉のダーティさの根源は幼少時代にありました。
諭吉くんは近所でも有名なイタズラ小僧でした。
神社なんか格好の餌食です。
何をやっても大人たちの気をひけますからね。
賽銭に手をだそーが。石灯籠をひっくり返そうが。
「お前、そんなことしてたらバチがあたるぞっ!!」
大人たちの良心的な忠告に、目立ちたがりの諭吉くんはもう有頂天。
「当てれるもんなら当てて見やがれっ!」
と、神社の御札に小便をぶっ掛けました。
某爬虫類にでさえ、ぶっ掛けたら祟りがあると言われているのに、
この大胆な行動、諭吉くんの運命や如何に!
・・・ってまあ、皆知っての通り、後の一万円です(こだわるなw)。
独立自尊ってのはきっと、「自分の好き勝手に生きればいいじゃん。ただし自己責任だけど」
といいたかったんですよ。諭吉くんは子供の頃からそれを地で行ってたワケですな。
小股にぶら下がる第三の足が腫れ上がってなきゃいいですが。
とまあ、何故こんな前置きをしたかというと、この話、実は逆なんです。
きっと福沢諭吉は御札に小便をぶっ掛けたから、一万円になれたんですよ。
どういうこと?
それを解くカギは夢前町にあるのです(超こじつけ)。
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というわけで、 愛読書「夢前町の民話」を頼りにやってきました。 夢前町新庄。 新庄の桜で有名・・・って、 まあ、そんなに知名度があるわけもないんですが。 雪彦山に向かう道沿いでも、 夢前川をはさんで対岸にあるので、 地元人じゃなきゃまず此処に来ないでしょう。 夢前七福神に騙された人以外は。 |
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さてお目当ての地蔵の近くに来てるハズなんだが・・・ 夢前町の民話に貼付されてる地図。 印が大きすぎて、場所が特定できぬ・・・ ほとんど印で、村一個埋まってます。 こんなモンで探せんのか?夜泣き地蔵。 とりあえず町の情報源、公民館へ行ってみることに。 って、何だこれ? |
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喫茶店やってました。 しかもお昼までの中途半端な時間に。 出勤後に開店して昼休み前に閉まる、 サラリーマンには、 イジメとしか思えないタイムテーブルです。 人口が100人いればいいようなトコで飲食店とは。 まあ、集落の中に たこ焼き屋さんがあったりするんですが。 地域限定のイベントか何かなんでしょうか? ちょうど入ろうとしていたご婦人方にエクスキューズ。 「まあ!遠慮せんと入りぃな!」 |
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いや、何も遠慮なんてしてませんが。 とりあえず誘われるがままに、 本日2回目のモーニングに。 食べてきてたんですよね・・・ まあ、200円なんでそんなに量はないだろう ・・・と侮ってました。 ←200円でこのボリュームですよ。 コーヒーとぜんざいが一緒に出てくる 喫茶店は他に知りません。 原価といい勝負の値段に、 凝った折り方の箸置きと旨過ぎるゆず大根。 意外な収穫ですよ。 |
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毎月第1土曜日に実施されてるとか。 基本は地元のお方たちしかいませんが、 外からの方も大歓迎ってことなので、 雪彦山とかに用事のある人は是非。 って、当初の目的を見失ってました。 夜泣き地蔵を探さないと。 せっかくなんで地元の人たちに聞いてみることに。 「え?出たとこにあるわよ」 え? |
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地蔵尊、公民館に併設されてました。 というより公民館の一部と化してます。 この夜泣き地蔵、 「川の橋に使ってた石が、実はお地蔵さんだった」 という姫路にでさえ10はくだらない位、 言い伝えられている(石棺のパターンも多い) ポピュラーな伝説を持ってるんですが、 その後が変わってます。 今まで土足で踏みにじっていたお地蔵さんを、 丁寧に掘り起こし、屋根を作って祀ったところ、 病弱だった西村の子供達は見る見る元気になりました。 地蔵に触ったり、なでたり、 叩いたり、上に乗ったりしているうちに。 |
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大人たちは 「子供を守ってくださるお地蔵様じゃ、 悪さをするほど元気にしてくださるお地蔵様じゃ」 と大喜びしたそうです。 めでたし、めでたし。 って、お地蔵さんをボコボコ殴ってたんですか! 大人たち、それを目を細めて ようやった!ようやった!ですか!! こんなに虐げられてるお地蔵さんは初めてですよ。 むしろ祟りたくなるよ!この扱いじゃあ。 でも西村の子供達は元気になったのです。 |
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そう。神さんは何も やっちゃいけないことばかりでもないんです。 時には悪さしたっていい。 そーいう寛大なトコが懐の深い親分肌で 好感が持てるってモンです。 崇めるだけじゃなく、 時には 「お前に祈っても、何にもいいこと起きねえじゃねえか!」 と悪態をついてもいいってことですよ。 戒めも時には枷となる。 一万円になれる可能性は、 何事も自分で判断することじゃないでしょうか? ま、勢い余って前科がついちゃう人生は 送りたくないですが。 |