姫路競馬場公園
(やくしやまぼうくうごう)
場所・姫路市山畑新田

戦争になって、空襲されました。
さてどこに逃げますか?


そんなことあるはずない?
いやいや、瀬戸内海でもサメの餌になるお方がいるこの世の中、油断は禁物です。
でも、まあどこに?と言われて困るのも確かでしょう。

姫路中を駆け回っている穴居人でも何処にシェルターがあるのか、なんて検討もつきません。
でも一つだけ言えることがあります。

薬師山防空壕にだけは逃げ込まない。

多分、60年前にタイムスリップしたとしても。


薬師山。

姫路城周辺の山の中では、
もっともマイナーな部類に入るわずか41mの低山。

何が悲しいて、ほとんどの姫路市民が
名古山と一緒くたに見てるトコですかね。

知ってました?
トンネルも二つに分かれてんですよ。
名古山トンネルと、薬師山トンネル。

まあ、いつのまにか名古山に浸食されて、
墓地に改造されそうになってる、
御前山よりかは、幾分かマシですが。



そんな薬師山に防空壕がある!
徒然草さんのタレコミに狂喜乱舞して、
近場の休みにさっそく行ってみることに。

大雨洪水警報の日に。

あやうく探索どころか、捜索されるトコロでした。
後日リベンジすることにしてその日は撤収。

あれですね!粘土質っていうか、
この山は雨登山には向いてないね。
(何処でも一緒)

市営岩端住宅の6号棟から、
山ん中に入ってみると、←終始こんなカンジに。
・・・人の手が微妙に入ってます。

タケノコ採りなのか、
人が定期的に入ってる形跡が一杯あるのに、
容赦のない荒れよう・・・・。

竹が下からズボンに刺さるんですが。
中途半端に刈ってるので、余計たちが悪い。
スカートの姉ちゃんと来るなら、オススメ。
(まず、連れ込めませんが)

それに、建物の形跡もあちらこちらに。

大量の瓦、むき出しの鉄筋、散乱するコンクリート。

これだけ人の手が入っている場所で、
防空壕が生き残れるものなのか?
トンネルを抜ける人の誰もが気になっているだろう、
トンネル前の空中通路。

まあ、見た通りの行き止まり。
公園のグラウンドに繋がってます。

反対側は↑の写真の通りの山んなか。
何のためにこんなん作る必要が???
人の手が入っているといえば、やはり此奴。

八代の金山が生き残れたのは、
山自体に開発の手が
何故だか伸びていなかったおかげやけど、
ここガッツリ山の形が変わるぐらいの工事。

反対側も旧日赤や琴稜中で、
山の半分以上は公共施設で埋め尽くされてます。

普通に考えれば、
そのとき、ついでに過去の遺物を消してしまった、
ってのが定石な気がしてきました・・・。
追い討ちをかけるのは、
ネイチャーパークという施設が、山伝いにあること。

竹林を抜ければすぐに顔を出してくれます。
防空壕にとって一番の天敵は
子供と言って過言はありません。
鹿児島の一件で証明してくれましたしね(不謹慎)

子供が自然を味わえる為に作られた
そんな施設が近くにある・・・

やはりもうないと考えるのが妥当。
そう思った矢先でした。
地面に穴開いてるっ!!!!

いやもう突然ですよ。
大雨警報の日なら、ツルツルと滑り落ちたに違いない
斜面にポッカリと姿を現してます。

野生動物が掘ったかも?
近所の悪ガキの仕業?
お国御用達の虎ロープはありませんが、
この規模、間違いありません。

堀り方といい、規模といい、
今まで沢山みてきた防空壕に遜色ないもんです。

鶉野や上山の工場みたいな
軍事目的な防空壕ではなく、
一般市民が避難用に掘ったんでしょう。

奥行きはさほどありませんが!

よく生き残ってくれていたものですっ!!!
しかし冷静になると、
奥行きがなさすぎる気が・・・・

ふと上を見上げると・・・・
なるほどね。

ここに防空壕が作られたのは、
重機を持たない一般ピープルでも
掘りやすい岩盤だったからです。

モロモロと崩れる、山ん中ではよく見かける
砂岩って ヤツです。
しかし、掘りやすいと防空性能は
まったく反比例するんですけどね。

60年前の人類は何考えてたんでしょう。
こんなトコじゃ、火に巻かれる前に生き埋めですよ。

コンクリートで基礎を固めればいい?
無駄な努力です。

少し行ったトコには、
基礎とおぼしきコンクリートの残骸が。

木の根っこで山様が保たれてる勢いじゃないですか。
防空壕がやけに奥行きがない原因はコレですね。

実際に30年ほど前の大雨で、
大規模な土砂崩れがあったとか。

まあ崩れたおかげで、
危険な防空壕の指定を免れて
鹿児島ショックを生き延びたのかもしれません。

喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
さらに痕跡はないかと、探すと・・・

山の中に立派な別荘が。

人がいた痕跡がムンムンするので、
人生初の通報を覚悟しましたよ。

誰もいませんでしたが。
謎が謎を呼びますね。
その間近には、
もっと素敵なレトロカーも。

こんなに竹槍武装のオプションがついた
国産車は見たことがありません。

廃車ショーを開ける位、
姫路中の廃車を見てきましたが、
此奴は特別趣きがあります。

そっち方面の人は是非どうぞ。
(だからいるのか?)
場所は琴稜中出身者にでも。

愛称がつく位メジャーなようなので。
琴稜中の学生をあたれば、
まだまだこの山、
とんでもないものが出てくるかもしれません。
なぜなら、怪しい場所が
他にもワンサカあったりするからです。

コンクリートの壁に何故だかわざわざ窪みがとか、
不自然に岩肌に壁が引っ付いてるとか。

土砂崩れが起きる前、
トンネルが通る前は、
もっと凄いことになっていたのかも。

まあ、何があっても
此処に逃げ込みたいとは思いませんが。

落ちてくる爆弾より、
降ってくる砂の方が怖くてたまりませんからね。


くわばら、くわばら。

穴場スコア
「トリプルボギー」クラス


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撮影:2009.03 by 穴居人