景福寺山

(ひめじじょうなかぼり)
場所・姫路市総社本町

ぶっちゃけ、姫路の中心地って姫路城以外は観光都市じゃない気がします。

のっそり立ち並ぶビル群。
せっかく新しく建設されるというのに、ド平凡なデザインの駅舎
大阪から新快速に乗って帰ってきたら、ただのコンクリート敷きの駅がお出迎えですよ。
センスも何もあったものじゃないです。
京都駅は無理でも・・・もう少し頑張って欲しかった。

兵庫県で2番目に重要な都市を豪語するわりには、外様地方都市バリバリの雰囲気が漂ってます。

建物の高さ規制をする位なら、何処からでも姫路城が見えるようにしてくれれば・・・

ともかく大人の事情が関わっていそうなので、深く突っ込まないようにして、
ここは一つ新しい観光プランを提案してみます。

その名も姫路城中濠ツアー!

と言っても壕自体はほとんど埋め立てられてしまっているので、(2号線が壕跡だというのは有名な話)
実際には現存する石垣の方を巡ります。

セールスポイントは、中濠の中にはイーグレ姫路以外、目立った高層建築がないこと。

整備さえされていれば、360°の視界で姫路城が見られる算段です。

家老屋敷跡を公園にする位ならこっちを本格的に整備した方が、観光の目玉になるのに・・・。

と思ってたら段々とそれを阻む大人の事情が見えて来ましたが。

さて出発地点は、文化会館前、「総社門跡」です。

よく手柄の「文化センター」と間違えて涙を飲んだ人も多いはず。

その名の通り、播磨国総社の前です。
本来の門の入り口は文化会館のド真ん前にあったんだとか。

警察署や郵便局に行ったことのある人なら此処へはよく来たコトがあるはず。

2号線側ではなく裏手にまわると、すぐに登れます。
一旦、登ってしまうと、不思議な光景が一瞬で広がります。

樹木が茂って思いのほか視界が悪い・・・


おかげで山道に迷い込んだみたいw

かなり不器用な状態ですけど、
街のど真ん中の山道
ってのは新鮮な気がします。
と、大手前商店街に行き当たったら、
民家の庭先に突入してました。

逃げ場もないので2号線側へ飛び降ります。
高さは1.5mぐらいなので、
人目が気にならなければ、何のことはありません。

←さて此方は、大手前商店街を挟んだ反対側の石垣です。
此処は最近整備されたせいか、芝生も綺麗。

ただ大手前商店街側から登ろうとすると、
交番の真横なので勇気がいるかも。

姫路城の正面、大手前通りが通る、「中ノ門跡」を上から見てみました。
もっとあからさまな場面も撮っていたんですが、意外と絵になりませんでした・・

さすが姫路城に正面に位置する最重要地点の一つだけあって、
番所が二つも設置されている厳重ぶり。

しかしホントに此処に門を復活させたら結構いいかも。

姫路城の正面にしちゃ殺風景やし。
お城祭りのパレードが眼下を行くってのはかなり絵になるはずです。
白鷺中学校〜城南小学校に沿う土塁には遊歩道が設置されてます。

トイレとかもあるんですが・・とにかく暗い!

小学校や中学校前にこんなとこがあったら不穏な気がしますが・・・
それもこれも明るい2号線とこの土塁が遮っているせい。

そんなわけで遊歩道を通る位なら、明るい土塁の上を散歩しましょう。
さてこの辺りになるとかなり昔の雰囲気を残してくれてます。
こんな作りの道路見たことがない・・・
視界が最悪なので、これでもかという位にカーブミラーが設置してあります。

ところでこの場所、「クマタカ門」と言いますが、
「周+鳥」という字がどうやってもパソコンでは変換出来なかったりします。

資料作りが大変だ。
「クマタカ門」〜「埋門」までの間が、中堀巡りで一番雰囲気の良いトコ。

街の光景を眼下に見下ろしながら、穏やかな空中散歩が愉しめます。

実際、地元の人は結構散歩に利用しているみたいで、
よくすれ違います。
装備のラフさが山道とはまた違って面白い。

っとの散歩をされている方を発見。
「ここだと交通事故の心配とかないでしょ」
ごもっとも。子供さんと散歩される際にもいいかも知れません。

しかし滑落も怖い気がします。
2号線を通っていてもかなりの異様に驚かされる「埋門跡」です。
中堀の西端にあたり、船場川にも面する要所。

しかし「うずみもん」は読めませんって・・・。
姫路検定の出題になること請け合いなので、覚えておきましょうw

ここの石垣はかなり高い気がしますけど両側すぐ登れます。

ここまで来て、中壕ツアーの最大の障害が見えて来ました。

壕沿いに民家が多すぎる・・・
それどころか、此処では公営団地まで建ってます。
もう少し行くと学校病院なども丸見え

こんなとこを観光客が押し寄せて来たら、
プライバシーも何もあったもんじゃないってわけですな。

しかしそんなアンバランスな雰囲気も此処の魅力だったりします。
う〜ん。難しい。
あえて桜の季節の前に訪れたのは口惜しいですが、
千姫の小径の名付けられた船場川沿いは桜の名所として有名です。

4月上旬に中壕を巡れば、
眼下に桜が一面に広がるなかなか見れない光景に。

ちなみに写真奥が「車門跡」
船の出入り口や、その名の通り車用の門があったりと、交通の要所でした。
高所恐怖症の方は無理かも・・・・

ここからの中壕ツアーは結構勇気が行ったりします。

何せ手摺りも何もない不安定な足場がずっと続くわけで。

障害物がない分、怖さもダイレクト。

まあ、そのおかげで景色もいいんですが。
船場川方面から見れば、近寄りがたい大きな壁ですが、
一旦裏側の遊歩道に来てみると親切に階段付きだったりします。

人の出入りを想定した遺構が残っているのは、
常時、石垣の上を人が行き来する必要があったということですな。

姫路城の内壕にかなり接近してきているので、警戒厳重だったのかも。

さて内壕を除く門の内で姫路城に一番近い
市ノ橋門跡」にまでやって来ました。

さすがに姫路城は目の前。
好古園に至っては道を渡ればすぐです。
フラフラと行ってしまいそうですが、我慢、我慢。

交通量は今までで随一なので、無難に横断歩道まで迂回しましょう。
と、此処で難題発生。

「市ノ橋門跡」を越えると、石垣に登り口がない・・・

なんでだろ?

それもそのはず。
石垣が好古園の外壁代わりになっていて、
不法侵入が可能だからです。
警備員さんはいますけどね。

しかし登れないとは、企画倒れか?
仕方がないので好古園をお城側に迂回します。

←千姫の小径に沿って行くと、終点まで壕に戻れません。
(一回行って引き返してきましたよ・・・)
「南勢隠門跡」にはまた親切に階段があるので、楽々。

桜の季節ならもっと綺麗だったろうな。
いやいや、中壕が姫路城桜撮りの穴場っていう証拠ですよ。

かなり幻想的な光景が広がってます。
ただ姫路城の敷地内に入って人通りは圧倒的に増えて来ているのに、
何で柵の一つもないんだろ。

相変わらず、真っ逆さまです。
今まで、落ちた人はいないんかな?
「北勢隠門跡」にも親切な階段。

中壕巡りで一番落ち着いていられる区間でした。
さすが観光地、姫路城敷地内。

こっちまで歩いてくる観光客は希ですが。
さて姫路城を離れてシロトピア記念公園の敷地に突入です。

眼下には「鷺の清水」がお出迎え。

今は飲めないようにしてあるのが、
ひっそりとここの土壌を物語ってくれます。

ここからはかなり薄暗くなってくるので、
コンプリートしたい人のみオススメです。
さて段々とホントの山道みたいになって来ました。

道の左側の視界は、右側はかろうじて教習所が見える程度。

肝心の姫路城も木の枝が邪魔で見えない・・・

此処の整備はあまり大人の事情が絡まないはずなので、
(教習所の生徒達はあまり見られたくないかも知れませんが)
せめて散歩道程度にはして欲しいもんです。

姫路駅をぬけて図書館へ。
この辺りの観光地化が進めば、
シロトピア記念公園の夜の治安も大分と良くなるはず。

さて図書館前、砥堀本町線が真ん中を突っ切っているところが、
「野里門跡」です。

かなり大きな番所だったみたいですが今は面影もなしです。
ただこの辺りに来て初めて、中壕の全貌が見えてきました。

今まで木陰でまったく見えなかったんですが。

具体的に言うよりも、
百聞は一見にしかずです。

終始、こんなカンジ。

ある意味、昔そのままの風情を残してくれているのかも。

ここからは公共施設のてんこ盛り。
裏は消防署になってます。
消防署の訓練って結構、公開して欲しいものの一つですね。

視線が気になって、訓練に身が入らないって事はないでしょうし。
何せ本番は衆人環視の元ですから。
姫路東高校を抜けて、姫路医療センターを通った辺りが、
「久長門跡」

医療センターの辺りで草の根かき分けて土塁を登ってみると、
ベッドの患者さんと目が合いました・・・。

踏み跡がまったくないワケが少し解った気がします。
久長門跡をぬけると、今度は淳心学園、賢明女子学園裏に出ます。
今度も学習能力0とばかりに登ってみます。

やっぱり鬱蒼とした草むらの中。
・・何故か、踏み跡があるんですけど・・・
戦々恐々してましたが謎が解けました。

踏み跡のほとんどは学校側から。
生徒達が利用してたんですな。

だが不用心な事には変わりないので、もっと明るくして欲しいです。
後半の中壕はジメジメした空気が否めないのが難点。
これからに期待です。

ほとんど学園の通用口になっている「内京口門跡」が、中壕ツアーの終点。
なかなかミスマッチで味があるので一見の価値アリです。

最後は人形のモリシゲの十二単の前で記念撮影なんかがオススメ。
帰りは総社にでもよって行きましょう。


穴場スコア
「イーグル」クラス

よろしければ一度はハマッてみて下さい。

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撮影:2007.3 by 穴居人