(にしかまたぼうくうごう)
場所・姫路市広畑区西蒲田
思えば、穴居人にも純粋な時期がありました。
期待に胸を膨らませて、アニメの次回予告を見たら、
「魔術師、還らず」
主人公(魔術師とは主人公のこと)、死ぬんだ・・・
しばらく、呆然としちゃいましたよ。
その前の回まで、ピンピンしてましたからね。
それが突然ですよ。
次回予告で明日のジョーみたく真っ白になって俯いてるんですよ。
ひどいネタバレに随分と憤ったもんです。
純粋な少年でした。
たとえ中学生で見てたアニメが一話ごとに販売してたアコギな日本最長のOVAだったとしても、
ライフ・イズ・ビューティフルのラストで眉一つ動かさない廃れた大人になった今、そんな自分が懐かしいと思うんです。
・・・・ま、何でこんな話をするのかと言うと、
今回のお題が原因です。
蒲田に住む4人の子持ちさんからこんな情報をいただいたんです。
「蒲田の山裾に防空壕が残ってる」
それも、かなり立派な防空壕でコウモリだらけ!
肝試しに使える素敵仕様だったそうです!!
これは是非、探し当てねばなりませぬ!!
果たして発見できるのか!!??
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でも、お題で書いた以上は結果が 分かっちゃうんですよね・・・ 穴居人、B型の割にこういうとこだけは 融通が利かないので、 見つからないと記事にはしないんですよね・・・・ ああ、ジレンマです! 探し当てれるか、見つからないか、 で記事が成り立ってるのに、 お題で大体、分かっちゃうんですよね・・・・ でも取材した当時の穴居人は、 まだ五里霧中の状態でした。 そんなカンジで、、 お題(しつこい)のことは忘れてまた〜りと、 探し当てれるか、見つからないか、 ドキドキしながら、お読みください。 到着して真っ先に目についたのが←コチラ。 一見、防空壕とは何の関係もなさそうですが・・・ |
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やっぱり関係ないんですケドね。 申請中のまま、 閉鎖された模様のこの建物、 「高貴なる者たちの聖なる学園」 って、思いっきり電波な 学校の開校予定地だったようです。 惜しいことをしました。 是非、開校してくれていれば、 幸福○現党並に、 端から見てて楽しい集団になったでしょうに(不謹慎) |
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それにしても、 建物の作り込みは手作り感があって、 好感度が高いです。 表面はレンガなのに、 裏手はプレハブな びんぼっちゃまくん仕様にも 好感度鰻登りです。 本来なら中も確かめたいトコですが、 不法侵入駄目な社会人なのと、 現役バリバリに違いない 綺麗な軽四(家主?)が停まっていたので、 自重、自重。 まあ、そうでなくても 不法侵入には変わりありませんしね。 |
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そこから北へ行くと、 すぐに西蒲田公園があります。 グラウンドしかない殺風景な公園の、 逆に清々しい整備っぷりに、 ここの工事で防空壕が埋められていたら、 と一抹の不安もよぎるってモンです。 遊具にお金をかける余裕とスペースがはない割に、 山裾に沿って整備された道が。 ここは何だ? |
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期待に胸を膨らまして駆け上がってみますが、 特筆すべきことは何もなし。 しいて言えば、 普通の登山道です。 かなり整備された、 一般ピープル用のハイキングコースのようです。 |
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蒲田の町が眼下に遠い・・・・ ものの10分とかからない位置で、 もうこの高さまで登れちゃいました。 子供と一緒とか、 ご老人との肩慣らしなかんかに 調度良いんじゃないでしょうか? ま、山を登れば登るほど、 防空壕は遠ざかっていくんですが。 そもそも、緊急避難用の施設なのに、 そこに行き着くまでに 空爆終わってそうな位置 じゃ意味ないですしね。 |
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とりあえず、終点までは付き合ってやる気持ちで、 登り続けると・・・・ 道が怪しくなってきました。 こんなの子供は辞退しそうだし、 惚け老人なら遭難した!と喚き出しそうな シュチュエーションじゃないですか。 さっきまでの平和な ピクニック登山道はどうしたんだ・・・ |
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道のアチコチに、 こんなもんまで現れる始末。 何んなのか、サッパリ判別できないんですが、 染み出る油が危うさ全快ですよ。 こんな山の上まで、車輌もなしに これだけの数を上げるんだから、 もっと目的意識というか、 ヒントがあってもいいもんなんですが・・・・ 不気味なほどに謎です。 穴居人は数知れず山に登ってきてますが、 車が入れない登山道で、これほど大きな 遺留品は見たことがないです。 鉱山でもあんのか?? と淡い期待をしたいもんですが。 |
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登りきった先には、謎のコンクリ施設。 真下の 「高貴なる者たちの聖なる学園」 といい、 目立って怪しげなもののない、 平々凡々な新興住宅地、蒲田の負の側面を 一手に引き受けてるよーなエリアになってきました。 姫路のハザードマップじゃ、 網干の次に水没するらしいって以外は、 何の問題もないトコだと思ってたのに・・・ ってか何で広畑よりも水没するんでしょうか? 内陸なのに。 海抜が低いのか? このコンクリ施設、中を覗こうとしましたケド、 覗き穴にジャストミートに蜂が巣を作っていて あえなく退散となり申した。 |
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コンクリ施設前にはまた立派な登山道。 こっちは登山経験者には、 馴染みの感じがします。 これは・・・ |
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やはり巡視路でしたか。 いやはや、 関西電力か林野庁に本気で就職したかったですよ。 仕事で山登れるとか、最高です。 姫路市も観光大使で、 穴居人を雇ってくれないもんでしょうか? (けっこう本気) 姫路の恥部も、汚点も、歴史も みんな引っくるめて、洗いざらい調べあげて、 名所にするんですがね。 |
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まあ、一通り満足したんで、 もう一度、スタート地点に戻ってみますか。 何せ、Mさんの情報によると、 「市営住宅のあたり」 でしたからね。 もう木々に隠れて、姿形も見えませんぜ。 |
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てなワケで、市営住宅に降りてきました。 ここから山裾に入りやすい場所は・・・ |
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とりあえず、端から責めていきましょか。 |
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民家の背後ってのは、 不法侵入チックですが、 まあ、ご愛敬。 さあて、どれぐらい入ればいいものか・・・ |
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って、ありました。 市営住宅から、ものの2分。 民家からも丸見えの位置に、 大口開けてます!! 今まで遭遇した姫路市内の防空壕の中で、 最も簡単に見つかりました!!! しかし、立派だ。 扉付き? 不思議な形状です。 |
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中も立派。 モルタルは、ちょっと剥がれ気味ですが、 偉容をそのままに留めてくれています。 鶉野級のコンクリート壕を 姫路で拝める日が来るとは。 Mさん、大感謝です!! 持つべきものは、偉大な郷土の先輩です!! 3ヶ月もメールを放置してましたケド、 尊敬してます!! ホントにごめんなさい!! |
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って、アレ? 防空壕は通常、爆風を避けるため、 逆凸の形になってることが多いので、 道がT字になっているのは気になりませんでしたが、 吹き抜けてる?? 妙に明るいんで、気になってましたが、 もしかして、壕のホンチャン、 退避スペースがごっそりない!!? |
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なんと・・・ 昔は現存してたんでしょうか? 退避スペースと思われる 左右の広場は天井が取り除かれてます。 跡形もない・・・・ まあ、あったらあったで、 子供がワンサカいる市営住宅の近くじゃ、 もうとっくに埋められていたんでしょうが。 ちょっと複雑な気分です。 |
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その反対側。 こっちもみごとなまでに何もありません。 ただ、コンクリの形跡が微妙なので、 元々作られていなかったのか、 制作途中で終戦になったのかもと含みは残せます。 入り口をあれだけ立派にしといて、 肝心の退避スペースだけ、 土壁ってのは道理に合わねえでしょうから。 |
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しかし、よくこんな 砂利まみれのコンクリで、 60数年、生き残ってくれたもんです。 山崎くんが調子こかなければ、 まだまだ現役ってことでしょうか?? 民家すぐ裏で開発の魔の手も伸びようがなさそうだし、 御の字ってもんです。 |
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しかしこの防空壕。 戦後に有効活用されようとした 形跡があったりします。 山から流れてくる水を貯めようとした 導水路が残ってるんですよね。 まあコンクリがもっと頑張って 積み上げられてりゃ、出目もあったんでしょうが、 上手くは行かなかったようで、 放置されてます。 公共施設ともなれば、 今頃、名所にもなっただろうし、 もしくは建て替えとかで、 お目にかかる前に破壊されてたかも知れません。 難しいもんです。 ともあれ貴重な戦争遺産。 一見の価値、大ありです。 |