
(あなむしいけ)
場所・姫路市大塩町
「名は体を表す」
キラキラだか、DQNだか、両親の素敵な願いが込められた名前が、
就職活動まで木っ端微塵にするこのご時世。
名前はホントに重要になってきました。
何せ人生まで左右するってんですからね。
そんな名前に関するエピソードといえば、
2014年の広島の土砂災害、74人もの命を奪った大災害ですが、
被害地域の八木地区が昔、蛇落地悪谷(じゃらくじあくだに)という不吉極まりない
土地だったという、映画ポルターガイストのお父さんのように、
「どうして、こんなところに建てたんだ!」
と叫びたくなる暴露があったりしました。
何せ蛇もイヤだけど地悪谷ですからね。
名前は命にも関わる問題なのです。
敏感になります・・・・って気になりますよね。
じゃあ、姫路にもヤバイ地名の場所があるのか?
姫路周辺には死の首やら、死野やら、大蛇(オロチ)やら気合の入った連中がいるんですが、
姫路市内は穴居人の知る範囲では、大したのはいません・・・
残念?・・・いや、一安心ですね。
と思いきや、大塩の地誌で見つけてしまいました。
それがこの穴虫池。
素でもまあ、おどろおどろしいですが、地誌によると
”穴虫とは墓の事をさす”とサラッと書いてあります。
つまり墓場池。
またまた横溝正史が大好きそうなネーミングセンス。
これは確かめねばなりますまい。
まあ、お察しの通り、十中八九墓の真ん中にあるんでしょうが。
| さあて、もちろん グーグルマップでは池名すら表示されないので、 地誌を頼りに馬坂峠へ。 ここも白い馬の首が花嫁を攫っていた サウンド・オブ・サイレンス風味なエピソードが残り、 播磨の怪談本において、沿岸地区筆頭の ホラースポットだったりします。 このすぐ麓にあるのが・・・ |
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| こちら、穴虫池でござい。 見事に墓が立ち並んでますね、はい。 もっと鬱蒼とした雰囲気を思い描いてましたが、 池があるおかげで逆に雰囲気が和らいでます。 日当たりも良好(池のおかげで)。 元来、墓地が暗くジメジメした場所にあるのは、 日光で墓石が傷まない為とか 聞いた事がありますが、 西側の墓石には容赦なく照りつけてます。 何せ 日当たり良好なんで(池のおかげで)。 |
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| 六地蔵もお付きが3名もいる豪華仕様。 しかし、区画が新しすぎる? 軍人墓地や天保やらの墓が点在する割に、 整然としすぎてる・・・? 山全体が崩落気味で、 管理されてるのか、打ち捨てられているのか、 判然としない景福寺山と大きな違いです。 もしかしたら、最近やり直した? 昔はもっとジメジメ鬱蒼としてた? |
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| だからって椰子の木はやり過ぎですが。 日本海の寒風で、拷問のように痩せ細った 羽合温泉並の風体ですが、 あっちこっちに埋められて・・・ ってあれは何だ!? |
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| 対岸に見えたものにちょいビビってしまいました。 墓場池の名前を持つ場所が、 妙に日当たりの良い墓地だけで 済むハズがないんですよ。 さっきまでいたのは、東側。 こっち南側は何と和洋折衷使用。 花崗岩の墓石の向こうに十字架を頂いた 教会が立ってる素敵な光景が広がってます。 まずあり得ない光景に、 場所柄もなくウットリしてました。 |
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| こうなると、西側にも期待が高まりますが・・・ ただの住宅地でした。 きっと元墓地で きっとスピルバーグ映画のお父さんのように、 「どうして、こんなところに建てたんだ!」 と雄叫ぶ事になるのを期待しますが(不謹慎) その辺に座っていた古老を捕まえて話を聞くと、 そんな穴居人のささやかな願望は打ち砕かれました。 昔からただの住宅地でした。 |
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| 「この池の周りはみんな墓地やった。この西側以外は」 ショボンとして池を眺めます。 溜池なんで、田んぼに引き入れられる水になるのに、 このアオコ。毒とか大丈夫なんかな・・・? とか素人目に考えてました。 いや、ちょっと待てよ? この西側以外は? じゃあ、この緑豊かな山際には、何が? |
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| 住宅地側には山道どころか、 獣道すら見当たらない始末。 とりあえず、東側から回り込んでみると、 あるじゃん、あるじゃん。 この道の先には何が? まあ、十中八九、墓地なんでしょうが。 |
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| いや、畑でした。 しかも行き止まり。 向こう側には凄まじい藪が広がってます。 人が入った形跡は皆無。 古老があんな事を言わなければ、 ここで引き返したかも知れません。 この西側以外は? くそ〜、やっぱ行くしかないか〜。 |
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| で,地獄の藪漕ぎ5分。 目の前に謎の物体が現れました。 予備情報では墓だったはずなんですが・・・ 戒名も何も掘ってねえ・・・ 何だこれ??? 地蔵尊の祠の入り口をコンクリで固めた? 何故、そんな事を? ちなみに足元には・・・ |
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| 多分、安置されてたと思われる お地蔵様が野ざらしで・・・ 人気がないので、 廃墓地に行き当たるのは覚悟してましたが、 これは・・・・ しかも落ち葉でわかりにくいのかも知れませんが、 墓地らしい墓石が見当たりません。 目立つのはこの謎の祠と 草まみれの石碑と、もうひとつ。 |
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| これです。 何に見えますか? もちろん、 ジャムおじさんのパン工場にあるヤツですよね。 いや、わかってます。わかってます。 そんなモンが墓地にあるわけがない? いや、わかってるんですよ。ホントに。 これが何かは! でも釈然としないんですよ! |
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| この釜の入り口の大きさが 人の頭くらいだから。 人間は折りたたんでも入らねえ・・・ ペット用? いや、猫ならともかく犬は・・・・ 嫌な考えは頭をよぎります。 でもわざわざ 大人と別に作る必要があるとは思えない! |
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| あまりに不気味すぎるので、 古老にもう一回聞きました。 「おお、あれは お産の時の胎盤なんかを燃やすやつや」 やっぱり子供関係でしたが、一安心。 帰って調べると、昔に 伝染病患者排泄物用焼却炉や 産褥物胞衣用火葬炉を 別に作っていた記録がありました。 病気の予防の為だったようです。 いや、勉強になりました。 打ち捨てられた林の中で、 ひっそりと佇む珍しい焼却炉、 墓場池の名は伊達ではなかったですね。 惜しむらくは・・・やっぱり住宅地じゃなかったら・・・ 「どうして、こんなところに建てたんだ!」 とかならないですかね(不謹慎) |