(けいそくじひまつり)
場所・姫路市打越
2001年。「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」という映画がありました。
密かに特撮大好き人間の穴居人はもちろん劇場へ。もちろん初日に。
小さいお子様に囲まれ肩身の狭い思いをしながら、見てました。
この作品のゴジラ、
長いゴジラの歴史上、もっとも顔の怖いゴジラ(白目剥き出し)として有名ですが、
興味深いことにこの映画、
ゴジラの、生物のくせに何故ミサイルが当たっても死なないの?という
エジソンなら鬼の首を取ったかのように突っ込むトコに一応の答えを出してます。
こんなカンジに。
A:ゴジラは生物じゃなくて、太平洋戦争で死んだ人間の怨念だから。
それは答えになってねぇ・・・・
ともかく幽霊だからミサイル当たっても大丈夫らしいです。
鬼太郎を呼ばなきゃいけませんよ。もう。
突っ込みどころ満載なんですが、それに対する主人公達の反応は・・・
「何故、日本を守って死んだ人たちが、怨念となって日本を襲うんですか?」
違うだろ・・・!ってか論点そこか!?確かに気になるけれども!
そんで出てきた答えがコレ。
「人々がすっかり忘れてしまったからだ!戦争で死んでいった人々の無念を!」
街を踏み潰す口実にはちょっと辛い気がしますけど、
確かに戦争で何があったかなんか、一般ピーピルはまず知らないですもんね。
ほんの60年ほど前に、姫路の人口の40倍もの死者を出した戦争があったなんてね。
何故なのか?原因は3つほど考えられます。
1、戦争史跡が姫路からほとんど姿を消してしまったから。
各地の山々にあった高射砲台、航空機の工場、防空壕etc・・・
都市化していくトコはどこでもそうなんでしょうが、今や残っているものを探すほうが大変な有様。
2、姫路には戦争を知る資料が乏しいから。
郷土史にはけっこう戦争時の話が出てくるんですが、どれもこれも感情論や身内ネタばっかりで、
興味をひくようなモンではないんですよね・・・。
聞き語りだけが戦記じゃないハズなんですが・・・・
3、そもそも楽しい出来事じゃないから、盛り上がらない。
不謹慎?
戦没者を愚弄してる?
実は言うと、これが一番の原因だと思うんですよね。
手柄の平和資料館なんて、行くだけで暗い気持ちになって帰ってこれます。
たとえ方法が間違っていても、忘れ去られるよりはマシ。
ゴジラになって殴りこみするのと同じですよ。
だから鶏足寺火祭りはオススメなんです。
何せこの祭り、400年前に焼き討ちされたお寺の鎮魂を願って、
松明を燃やし続ける割りに、悲壮感0!
年によっては花火まで打ちあがる騒々しい馬鹿馬鹿しさ。
戦争をネタに祭りをやってるとは微塵もカンジさせません!
でも穴居人は、この祭りのおかげで鶏足寺の悲劇を知りました。
これが、ローソクを家々で奉納するとか地味なイベントだったら、存在すら知らなかったかも。
さてどんだけ人気なんだ。鶏足寺。
破磐神社の奉点燈祭と同ネタの、焼き討ち追悼イベントのご紹介です!
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いつもは人ッ気が少なく、 不気味なことこの上ない太陽公園ですが、 この日ばかりは人で埋め尽くされます。 そりゃぁ、もう警備員まで配置されるぐらいですよ。 といいながら、普通のオッサンばっかですが。 地元民を招集してるのか? ってこの看板、来賓、消防はわかるとして、 鬼ってなんのことなんだ? |
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何か変な集団が押し寄せてくるんでしょうか? 太陽公園だったらあり得る んでおっかないですが。 ←何せ玄関からこんなトコですからね。 |
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メイン会場の天安門広場はこの人ごみ。 何でこんなに人が集まっているのか? 鶏足寺の僧侶達の霊を鎮めるため・・・ じゃねえことは確かです。 理由はいたって単純。 今日はタダだから。 火祭りの日は 姫路一(穴居人自薦)のテーマパーク、 太陽公園にタダで入れるんです。 これはもうこの機会を逃すワケにはいかんでしょう。 いや、もちろん普段、 金を払う価値がないってワケじゃないですよ。 一応。 |
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露店はテキ屋と違い、 地元民と太陽公園主催の屋台ばかりなので、 良心的な値段設定ばかり。 どうでもいいけど、 祭りが始まって、ほんの1時間ほどなのに、 売れきれる店が出てくるってどういうことなんだ? それほど集客を見込んでなかった? 確かにこんな人手の、 太陽公園は見たことがありませんが。 |
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さてしばらくすると、 聞いたことのない演歌歌手の、 聞きたくもない演歌が生で流れはじめました。 この祭りの対象年齢の高さを伺えます。 もちろん、一切、興味がないので、 早々に切り上げて、辺りを散策してみることに。 |
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ハリボテ天安門の中で、 松明を発見。 恐ろしいオイル臭です。 めちゃくちゃ燃やす気満タンなのは、 結構ですけどコレ、服とかに垂れたら、 火祭りどころか血祭りですよ。 この辺、外はキレイに作っても、 中が悲惨な太陽公園らしさ を如実に現してくれてます。 |
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天安門の上では巨大な松明も待機中。 そもそも大市周辺は、 竹で昔から有名なんですが、そっから考えると 鶏足寺を燃やしたのは、 案外こういう松明だったのかも知れません。 一部の資料には、 秀吉に逆らった鶏足寺には、、 300人の屈強な僧侶達が奮戦したんだとか。 スリーハンドレッド! Tonight we dine in hell! まあ、別に100万人相手したわけでもなく、 一般ピープルに一晩で打ち滅ぼされちゃますが。 |
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とか何とかのたまわってるウチに、 夜も深けて参りました。 そろそろ本番ですよ、火祭り。 ライトアップされた、太陽公園は、 並みのホラー映画など、 足元にも及ばない恐怖を醸し出してます。 ちなみにまたまた余談ですが、 鶏足寺火祭りの開催日、8月10日は、 実際に鶏足寺が焼き討ちされた日 に因んでるそうです。 奉点燈祭よりこっちの方が忠実なのが、不思議。 やっぱり形にはこだわるんですよね、太陽公園。 |
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何故か、火祭りがハジマラネェ・・・ よくよくプログラムを見ると、 まだイベントが残ってます。 自民、共産、民主党のお歴々が、 揃って立ち並んで媚を売ってる節操のなっさっぷりに、 気をとられて気付きませんでした。 残るイベントは曰く、 大抽選会! |
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奉点燈祭と一緒じゃないですか。 まあ、祭りの定例イベントなんで大目に見たってください。 それにしても、雰囲気まるでなし。 お姉ちゃんがマイクで当選番号を読み上げるだけ。 樽くじの奉点燈祭とはエライ違いや。 まあ、此方の方が景品が段違いに高級なんですが。 液晶テレビとかですもんね。 海苔のお中元とか出てきませんから。 ちなみに抽選番号は、 入り口で配られてる団扇に印刷されてます。 |
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そして!ついに!! 始まりましたよ!! 火祭り!!!! スタートの鶏足寺(本物)から火の手が!! |
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色とりどりの鬼達が行列作って、 コンクリ大仏の間を歩いてます。 もう、最高! 不気味この上ない情景に、 穴居人は大興奮です! これはもう18禁ですよ。 子供が見たら泣き叫んで夜も眠れないでしょうさ! |
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いつもは静かな寝釈迦の前も、 キリングフィールドに早代わり。 気分はもう東南アジア。 道端に首が並んでても、驚きません。 今まで、奉点燈祭に勝ってるのは、 人手だけだと思ってて、ホントすんません。 こっちの方が再現度が高いです。 これは祭りじゃなく、 リアルな戦場ですよ。 鬼共があたりに火を放ちまくる。 鼻を突くガソリン臭。 ホントにゾクゾクしてきました! |
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その鬼達が天安門に勢揃い。 入り口の鬼の意味がようやくわかりました。 コイツラのことだったんですな。 そして祭りはクライマックスの一大イベントへ!! |
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ファイヤーッ!!!! 巨大松明に点火された火が人の背丈を超えてます。 写真でみると大したコトありませんが、 実際見ると、度肝抜かれます。 松明でこの迫力なんですから、 鶏足寺の時はさぞ見物だったでしょう。 白鳥城に花火が不時着したら、 もう一度、見れるかも知れませんが(不謹慎) |
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一仕事終えて、鬼達は休憩中。 いかつい顔の割りに、 長閑な雰囲気漂ってます。 焼き討ち後の村人達も、 案外こんなんだったのかも知れませんな。 |
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後片付けは大変ですけどね。 奉点燈祭と違って、此方では消防団員大活躍です。 火がバッサバッサ落ちて来る中、 黙々と仕事してました。 そりゃ放置するわけにゃ行かんよな。 |
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まあ、その頃、 鬼達は呑気に記念写真の真っ最中ですが。 お前らが景気よく燃やしたんだろうに・・・ |
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ついでに正体も明かしちゃいました。 って、真ん中の白鬼! この太陽公園を作った 門口さんじゃありませんか! さすが、城の天辺に自分の銅像を建てるだけあって、 位置は常にセンタートップなんですね。 聞けば毎年なんだとか。 お元気で何より。 |
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あっという間に終わった火祭り。 8月10日に雨が降れば、 即中止という男気溢れる祭りゆえに、 開催は不定期ですが(現に2009年は中止になった) 白鳥城が出来た今こそ、 花火をあげてくれないかなと期待してます。 城のバックに次々と打ちあがる花火、 まるで某ネズミの国のシンデレラ城のごとく、 花火の中に白亜の城が浮かび上がる。 その中から、赤いのやら、青いのやらが飛び出して、 天然の灯りが眩しい、 素敵なエレキトリカル・パレードが・・・・ ああ、涎がジュルルと出そうなぐらい期待してます。 本気で。 |