姫路競馬場公園
(とっとりのひめじ)
場所・鳥取県八頭町姫路 /鳥取県鳥取市気高町八束山

大発見です!!

全国的認知度は意外と低い姫路。
地元人としては許せない認識が、全国に、あまつさえ関西にでさえ蔓延してます。

ガラが悪い?

それは事実なんで、素直に受け止めましょう。

言葉が汚い?

案外そう言っているのは地元の人間だけだったりします。
元大阪人からすれば、関西弁に(用例:なにしとんけ)がついただけですよ。

じゃあ、なにが許せない?

それは姫路のイントネーションがひめになってること。

地元からすりゃ当然、ひめ

何故、こんな間違いが!?
まあ、姫をそのままの発音で読んだら、ひめになるからなんでしょうが、
姫路という単語が日常生活でどれだけ飛び交わないかというかってことですね。

どうすりゃ、ひめって発音が正しいって分かってもらえるんだ?
そこで簡単な方法を思いついたってワケです。

ひめじの後に一文字を足せばいいんです。

例えば「姫路店」、「姫路産」などなど。
自然に姫路の発音がひめになりますぜ!
ひめだと次があがるので、まるで外人日本語みたいになって言い難いからなんですが。
とにかくこれで胸を張ってひめが正しいと言えます。

と、余談はさておき読み方一つでさえ、かなり知名度の低い姫路。
郵便局で地名検索をかけて唖然としました。

実は姫路と名のつく町は全国で3箇所しかなかったりするんです。
恐縮ながら調べるまでは、山田とか、新在家とか、地方都市でも2,3個はあるぐらいのメジャーな地名だと思ってました。
親バカならぬ地元バカですよ。

そんなにつけられ難い地名なのか?

ちなみに姫路の由来は八丈岩山で親子喧嘩があったとき(おとんの一方的な惨敗)に落ちた積荷の一つ、
蚕子(ひめこ)から日女道→姫道→姫路になったってのが定説。(諸説あるんですが一応)

養蚕関連なら、姫路の他にも盛んなトコロもあるのに・・・

そんな全国でも孤立無援で寂しい限りの姫路ですが、まだまだ寂しい話があります。
姫路ともう一箇所の姫路、大分県中津市姫路町
姫路市出身で最も出世した大名、黒田官兵衛が姫路の人間を連れて行って、
住まわせたことに由来してたりするんです。

自力で姫路になったんじゃないじゃん。

やっぱり孤立無援なのか?姫路。
そんなとき、29号線を鳥取に向かって走っていたら、↓こんなものを発見しました。

日本海側に姫路の案内が!

しかも、姫路公園!?

鳥取市といえば、姫路市の姉妹都市。
その関係でこっちにも姫路が!?

でも場所は八頭町

出身有名人は、
今んトコ石破農林水産大臣のみという
人口2万人に満たない超田舎


そう、ここが全国探しても残り一つの姫路。

鳥取県八頭町姫路だったのです。
姫路から近すぎるので、嫌な予感が・・・

嘉吉の乱で没落した赤松氏の落人とかだったらどうしよう・・・?

凄まじい山の中です。

道がキレイなのが幸いですが、
あまりの人家のなさに、
林道に迷い込んだのかと思いましたよ。

道のカンジは、
リフレッシュパーク市川に向かう道中にそっくり。

地図と格闘する気のない人や、
姫路という名前だけで29号線から
15kmも離れる根性のない人は、
此処までたどり着けない気がします。
おおっ!確かに姫路や

問題は何故、ここが姫路という地名なのか?
何かヒントはないかと探してみます。

やっぱり赤松の・・・
って読みにくいけど、姫路に何かくっついてる?

・・・・安徳の里?
安徳ってあの安徳?

安徳といえば、一つしか思いつかないんですが・・・

案内板によると、
やっぱりあの安徳でした。

壇ノ浦の戦いで敗れた平家と共に、
わずか8歳で入水自殺をして果てた
あの安徳天皇ですよ。

何でも、実は戦いの後、
密かに逃れてこの地に逃げ延びたというんです。

壇ノ浦って山口県ですぜ?
めちゃ遠いやん。

四国ならいざ知らず、
何故にこの鳥取の片田舎に?

実は生きていた!ってだけでも、
義経チンギスハン説並に荒唐無稽なのに、
全国に100箇所以上ある平家の落人伝説の地で、
最もビッグネームの隠れ里に名乗りをあげるとは・・。

本気なのか?
ものすごく本気でした。

こんなトコにも安徳くんが。
悲劇的な人生の割りに扱いが明る過ぎる。
マウンテンバイクでウィーリーですよ。

でもマウンテンバイクのコースを、
レンタサイクルの100円だけで1時間も走れるとは。

結構、遊べそう。
まあ、この日はドンピシャで定休日でしたけどね。
行くなら月曜は避けましょう。

他にもヤマメの掴み取り(もちろん食える)や、
キャンプ場、名物のゆば料理なんかを堪能できます。

ひっくるめて定休日だったので、
人っ子一人いませんでしたけどね。

定休日なんで、拝めませんでしたが、
安徳天皇資料館(入館料)100円ボリ過ぎですよ。

大きさがワンルームマンションぐらいの広さしかない
だけなのに。
姫路動物園の入園料の半分もとるとは・・・
よっぽどのモンが拝めるのか?
公園自体は12年前に出来た割りに、
かなりキレイに整備されてます。

網干の公園と違って、
間違っても珍走族とかが出没しないせいか、
奇跡のようにキレイです。

安心して子供を遊ばせられすぎて、
姫路人としては、逆に物足りないぐらいですよ。

姫路の公園は(特に沿岸)、
遊具に大人になったら公衆の面前では口に出すのも
憚かられる隠語のラクガキのオンパレードですからね。

ホントに平穏な田舎の雰囲気が味わえるなぁ・・・
この姫路は。
この場所を除いては。
安徳天皇のお墓だそうです。

この中のどれが?

まあ無粋な疑問はさておき、案内板に事の真相が。

何でも、壇ノ浦の戦いから命からがら逃げ出した一行は、
鳥取の賀露の浦に流れ着き、
偶然通りかかった宗源和尚の案内で、
この僻地にまで連れてこられたとのこと。

姫路の地名についてはまったく触れられず・・・

結局、姫路公園の周辺では、
姫路の謎は解けず。
周辺住民とも接触できず迷宮入りの様相を呈してきました。

というわけでダメモトで市役所に問い合わせ。

ちゃんと帰ってきましたよ。答えが。
こんなヤクザなサイトで公表されると思ってないのか、
懇切丁寧にPDFデータで送ってきてくれました。

それによると、この地に姫地氏という地侍が住んでおり、
其処から派生したのではないかという説。

この土地の立地から「秘め地」
または「秘め路(世間に知られてない道)」から
転化したという説が紹介されてました。

なるほど。結構説得力がある。

どっちかっていうと、
姫路市の地名由来よりしっくり来る気がしますよ。



帰り道には小耶馬渓(しょうやばけい)という
景勝地のおまけつき。

なかでも姫路川に流れ込む
姫翠峡
(ひすいきょう)は落差40m

まあ、整備されてないので、
かなり遠目に眺めるしか出来ないんですがね。

これでも、近づいた方なんですよ。
3倍ズーム精一杯でこの遠さ。

こっちの方が観光地っぽいのに・・・
何で整備しないんだ?

一件落着かと思いきや、
鳥取県にはもう一つ、姫路があったのです!
地図を見ていて偶然見つけただけなんですが。

乗りかかった船。これは行かねばなりません!
本来の予定を変更して、やって来ました。

鳥取市気高町八束山姫路地区にある
その名も姫路神社に。

国道9号線沿い、しかもかなりアバウトな地図にも、
しっかりと名前が載っているので、
どんだけ立派なトコかと思えば、
こじんまりとしたコレといって特徴のない神社でした。

ただ一点を除いて。
狛犬が結構、フワフワして可愛い。

←は凶暴な面をしてますが、
↓なんかは実にプリティ

←コイツもちっちゃいのがくっついていい感じ。

何でも鳥取では有名な石工、川六の作で
鳥取県では2例しかない貴重な親子狛犬だそうで。

鳥取県写真ライブラリーには川六の他の作品が。

どれもこれも、プリティ。

実は神社の記事を書くたびに、
密かに狛犬を記事に忍ばせるぐらい狛犬好きな穴居人。

ヤバイ・・・ファンになりそうです。
境内で写真を撮りまくっていると
氏子さんが声をかけてくれました。

ついでに質問。
「何で此処は姫路という名前なんですか?」

返ってきた答えは驚愕の一言。

「私らもそれを確かめに、
広峰神社に聞きに行ったんやけど、
関係なしやって言われたわ」


ここの人たち、広峰まで聞きに来たの!?
鳥取で広峰神社の名を聞くことになろうとは。
わざわざ足を運ばずに、
電話で済ませたらいいのに・・・
なんて無粋なことは言えず、
神社の紋が隠れキリシタンの証とか云々、
延々20分ほど聞かせていただきました。

姫路の謎は解けませんでしたが。

実は八頭町の資料には此処のことも出ていて、
自分トコと同じ理由ではないか?
と書いてましたが、此処は海沿いですからね・・・。
「秘め地」はちょっと無理があるんでは。
この姫路神社、かなり由緒が深く、
奇祭でも有名だそうで、どっちかっていうと、
建物よりもそっちの関係で地図に載ってるようです。

奈良時代から続く、百手の神事や、
牛の舌の形をしたもちを奉納する牛の舌祭りなどなど。

でも天狗って・・・

此処の祭神、スサノオなんやけど。
一切、関係ない気が・・・・。

ま、ええか!姫路やし(テキトウ)。
というわけで、姫路が一杯溢れている鳥取県
何せ兵庫県よりも、
姫路の名前がついた土地あるわけですからね。

ちょっと、身近に感じてしまうのではないでしょうか?

しかし、もしかしてひょっとしたら全国には、
まだ隠された姫路があるのかも。
(郵便番号に載らないような)

いつか全て、訪れてみたいですね。
※おまけその1

鳥取に行ったら、観光で必ず訪れるといえば、
水木しげるロード・・・もとい鳥取砂丘ですよね。

今回も例外なく行ってきました。
と、すると併設されてる砂の美術館で見慣れたヤツが!

こんなとこまで来て、←こいつを拝むことになろうとは。
どこまで姫路と縁があるんだ。鳥取県。
※おまけその2

と、砂丘の土産物屋に入ったら、
姫路の名前がオンパレード。

と言っても、姫路のくだらなさを、
一生懸命全国に曝け出した忌まわしきイベント、
姫路菓子博関連なんですが。

鳥取県のお土産菓子が、
けっこう賞を獲ったのかいたるトコに書いてます。

近場だから大盤振る舞いなのか姫路?

穴場スコア
「パー」クラス

よろしければ一度ハマッてみて下さい。

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撮影:2008.9by 穴居人