和國稲荷大明神
(わこくいなりだいみょうじん)
場所・姫路市山畑新田

穴居人は自慢じゃありませんが、鼻を垂らしたクソガキだった頃から、
ポケモンを全部言えませんでした。

151匹しかいなかったのに。
わざわざ数え歌まで流行らせてくれていたのに。
ピカチュウ、カイリュー、ヤドラン・・・ぐらいまでしか覚えていない体たらくです。

それが今や800匹以上。

手を付けられる気がしません。
よく映画館でポケモンのポスターを目にしたりしますが、
黄色いネズミ以外、一匹たりと分からねえ・・・
クソガキの時はインセクトを固くなるだけで鍛えるマニアックプレイにうつつを抜かし、
友達の反対を押し切って、黄色いネズミをさっさと黄土色のデカイヤツに進化させたり、
結構、どっぷり遊んでたんですよ?

カビゴンをどけられなくて、中古で売り払うまではドハマりだったのに。

つまり、つまりですね。
好きなものだって、全部把握するのは中々難しいんですよ。

特に好きなものが800どころか、800万だった時は、特に。

さて、目的地の稲荷神社は、
姫路の大動脈、2号線と辻井バイパスを結ぶ、
万年渋滞ポイント、名古山トンネルもとい
その手前の薬師山隧道の真上にあります。

え、どこに?

遠くからは電光掲示板などに阻まれて見えませんが、
トンネルをくぐる寸前になって突然頭上に現れるんです。

ただでさえ、お墓の下を潜るのに。

中々、恐怖のシュチュエーションだと思います。

じゃあ、何処に入り口が?
トンネルのすぐ左側。

とてもか細い石段、これが入り口です。

わあ、入りにくい典型的な雰囲気。
一般ピープルは間違っても入ってみようと思わない
怪しげな見た目、
穴居人はもちろん大好物です。

まあ、田舎の山中ならいざ知らず、
姫路の中心部のほど近くなんで、
登り始めればちゃんと整備されてるんですけどね。
って、そんなことはありませんでした。

絶賛、朽ち果てていってます。

まあ、登り始めて30秒で目的地につくので
我慢しましょう。
上がりきった先には、
いつもお墓の横にあるような同じデザインの
お地蔵さん達がお出迎え。

お供え物でさえ、散乱してる・・・

まあこんな急斜面にお墓が造成されてるハズもないんで、
6地蔵の成れの果てと言うわけでもないでしょうが・・・

いや、場所が場所だけにその可能性も・・・
トンネルを潜る際に見える一際目立つ建物に到着。
これが稲荷大明神?
稲荷神社特有の鳥居もなければ
キツネの狛犬もいないコンクリ建築なんですが。

中を覗き込むと皆んな大好き薬師堂でした。
病気を治して寿命を延ばし、
災害を回避させ衣食住を保証する

実に拝み甲斐のある如来様ですな。

惜しいことをしました。
穴居人に信心が欠片でもあれば、
悠々自適のニート生活を出来てたかも知れないですね。
惜しいことをしました。
今からでも遅くない事を祈ります(手遅れ?)。

薬師堂の横に回り込むと、
さあ、こんどこそ本命、
和國稲荷大明神の登場です。

ちゃんと鳥居もありますよ!
ちなみに、雨よけの質素な建物の中には、
この石碑がポツンとあるだけ。

これが穴場か?

実は穴居人にも分からないんです。
この稲荷、考えれば考えるほど分からなくなって
周り回って「これ、面白いんじゃね?」
となったんです。

気になったポイントは名前。
和國って何?
八百万の神様の中でも、
稲荷神は派生の関係でワンサカ種類がいるんですが
和國ってヤツは知らない・・・
だって和國って・・・それ日本ってことですもん。
稲荷神を氏神にしていた
秦氏が渡来系だったというところから?
それなら百済稲荷の方がシックリ来ます。
稲荷神自体、日本にしかいないのに、
何故に日本の名前を冠する??

この謎が解けないんですよ。

え、それだけ?

元々は墓場トンネルの真上にお堂が!
という肝試しネタでやるつもりだったんです。
夜に来る予定だったんです。
このキツネさんの惨状を見て、
思い直したんですが。


廃仏毀釈の関連か、姫路の山中にある神社やお寺では
散々、首のないお地蔵さんは見てきましたが、
コイツはコンクリ製なんで、顔を壊されたのは最近・・・

しかも阿吽、2匹とも(絶句)

人気が殆ど無いとはいえ、
こんな事するのは素直に怒りを禁じえません。
ホンマにバチが当たりますぜ。
穴居人は信心の欠片もありませんが
この犯人は是非、祟られていただきたいもんです。

稲荷神と言えば、五穀豊穣と商売繁盛の神様なんで、
お隣の薬師如来と最強タッグを組めば、
商売を傾かせ、病気を羅患し、
災害に巻き込ませ、
着るものも住むものも食べるものにも不自由する
鬼畜コンボを御見舞い出来るんで、
和國稲荷大明神様、是非オススメです。

ちなみに反対側の龍野町からは
キレイな階段があったりします。

最初からコッチで来ればよかった。
薬師堂から薬師山隧道の入り口の眺め。

そういや、この山の名前が薬師山だから
気になりませんでしたが
このお堂が山の名前の由来なのかも。

とにかく面白い眺めです。
特に目立ったものはありませんが、
来る価値はあります。
薬師如来と稲荷神の最強タッグで
病気を治して寿命を延ばし、
災害を回避させ衣食住を保証し、
田畑はよく実り、商売繁盛する
効能がありますからね。

下手な温泉より、効きそうです。

まあ、後半は推測なんですが。
和國稲荷大明神ってなんなんだよ。
ポケモンすら覚えられない穴居人には、
800万の神様はレベルが高いッス。
穴場スコア「パー」クラス

記事の感想や、記事に関する情報等があれば是非BBSへ。
HOMEへ戻る


撮影:2011.05 by 穴居人